Ugly Duckling / Eye On The Gold Chain - ゴールド・チェーンに宿る美学、HipHop原点回帰のサウンド

Ugly Duckling / Eye On The Gold Chain

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ゴールド・チェーンに宿る美学、HipHop原点回帰のサウンド

2001年、あえて時代の流れに逆行するかのようにバック・トゥ・ベーシックを掲げた西海岸のHipHopトリオ、Ugly Duckling。その代表作とも言えるアルバム Journey To AnywhereからのシングルカットEye On The Gold Chain は、90s黄金期の空気感を2000年代に蘇らせた、HipHop愛に満ちた1曲です。2000年代へ入りHipHopのサウンドが大きく変化していく中で、最新の音を追いかけるのではなく、あえてサンプリング、ブレイクビーツ、スクラッチ、そしてMCというHipHop本来の魅力へ立ち返る…そんなUgly Ducklingの姿勢が、この1曲にはギュッと凝縮されています。単なる昔のHipHopの再現ではなく、自分達が愛してきたカルチャーを2001年という時代にもう一度鳴らすという、その潔さがなんともカッコイイんですよね。


叩きつけるドラムブレイクとファンキーなホーン・サンプリング

聴いた瞬間、まず耳を奪うのは叩きつけるようなドラムブレイクっ!タイトで太いキックとスネアが前に出るミックスは、クラブのサウンドシステムでもシッカリと存在感を放つ設計になっています。そこに重なるのは、緻密に組み上げられたホーン・サンプリング…どこかコミカルでありながらも芯のあるファンクネスを漂い、自然と体が揺れるグルーヴを生み出しています。このビートの気持ち良さは、いわゆる黄金期HipHopを聴いてきた人なら一発で反応してしまうタイプでしょうね。必要以上に音を重ねるのではなく、太いドラムとサンプルの組み合わせだけでグルーヴを成立させるシンプルな構造だからこそ、12インチで鳴らした時にはキックとスネアの輪郭がよりハッキリと浮かび上がり、HipHopにおける「ビートを聴く」という楽しさをストレートに味わわせてくれます。


スクラッチとリリックで繋ぎ合わせるHipHopの歴史

そして、この曲の最大の魅力とも言えるのが、随所に差し込まれるキレキレのスクラッチと、畳み掛けるように繰り出されるリリックの応酬でしょう〜。EPMD、Eric B. & Rakim、Gang Starr、Eazy-EやMC Shanといったレジェンド達へのオマージュとも言えるフレーズが次々と飛び出し、HipHopの歴史そのものをパッチワークのように繋ぎ合わせていく様は圧巻っ!しかも、こうした過去のHipHopへの目配せが単なる引用やマニア向けのネタにとどまらず、ひとつの楽曲としてキッチリとエンターテインメントになっているトコロが実に見事なんですよね。知っている人なら元ネタやフレーズにニヤリとできるし、知らなくてもビートとラップだけで十分楽しめる…この絶妙なバランスに、Ugly DucklingのHipHopに対する深い愛情とセンスの高さが表れています。


ゴールド・チェーンに込められたHipHopへの愛と遊びゴコロ

タイトルにもある「ゴールド・チェーン」は、単なるファッションアイテムではなく、HipHopカルチャーにおけるステータスや誇りの象徴です。この楽曲では、それに対する愛着とユーモアが絶妙なバランスで描かれていて、ドコか肩の力の抜けた語り口ながらも、「HipHopってやっぱり楽しいよな〜」と思わせてくれるポジティブなメッセージが根底に流れているのも印象的ですね。HipHopというと時代によってはハードなイメージやストリートの緊張感が強調されるコトもありますが、その一方にはレコードを掘り、ビートを作り、スクラッチをして、仲間とマイクを回すという純粋な「遊び」の文化があります。Ugly Ducklingは、そんなHipHopが本来持っていた楽しさを知識とユーモアを交えながら再提示している…だからこそ、この曲には20年以上経った現在でも古臭さをカンジさせない魅力があるのでしょうね。


DJの効かせドコロで光る、持っておきたい12インチ

リリース当時の2000年初頭のシーンは、よりハードでダークなサウンドや商業的な路線が主流になりつつあった時期でした。そんな中でこの曲は、あえて原点に立ち返ることで異彩を放ち、DJ達の間では「分かっている人のための1枚」として支持を集めました。ピークタイムのフロアを煽るタイプではないが、セットの中盤〜後半で空気をイッキにほぐし、オーディエンスの笑顔を引き出すような役割を担う、まさに効かせドコロの1曲でした。こういうレコードはDJバッグの中に入っていると実に頼もしく、フロアをガンガン押し続けるのではなく、少し力を抜きながらもグルーヴを落とさず次の展開へ繋げたい時に威力を発揮するんですよね。懐古では終わらない、確かなスキルと遊びゴコロで構築されたこのナンバーは、HipHopという文化の楽しさと創造性を純度高くパッケージした名作です。コレクションとしても、現場での武器としても、1枚持っておきたい12インチ…Eye On The Gold Chainに針を落とせば、太いドラムブレイクとスクラッチの向こう側から、HipHopってやっぱり楽しいよな〜というUgly Ducklingのメッセージが聴こえてくるハズですよ。

 

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